メアリー・カサット展

アメリカからフランスにわたり、エドガー・ドガとともに印象派画家として活躍したメアリー・カサットの大回顧展。主に19世紀後半のパリに暮らすブルジョワジーの女性たちの日常を描き、「母子像の画家」と呼ばれた。柔らかなタッチと色合いで描かれた女性たちからは、ぬくもりや生活の気配が伝わってくる。また優れた版画家としても知られたカサットは、ドガなどとともに版画技術の新たな表現方法を追求した。彼女が手がけた油彩画やパステル画、版画とあわせて、交流のあった画家たちの作品や、画家が愛した日本の浮世絵版画などを通して、当時は少なかった女性画家のパイオニアの一生を見つめる。