“雲”が東京都現代美術館のサンクンガーデンに出現。
このプロジェクトは雲にふれ、雲をじかに感じ、雲の中を歩く、そんなファンタジーの世界の夢から生まれた。あらわれては消える雲を常時一定の高さに出現させ、その中を通って雲の上からながめる、あるいはそこで人々と顔を見合わせ話をする。天国、見えないクラウドネットワークの世界の比喩がそこにある。雲の中を歩く、ただそれだけのことがどれだけの体験になるか、脚を運んでほしい。
この“クラウドスケープ”は2010年の第12回ヴェネツィア・ビエンナーレ国際建築展にて、マティアス・シューラー(クライメート・エンジニア)と、近藤哲雄(建築家)の協働により実施され、約37万人が体験した。室内の空気環境を制御し、圧力と温湿度が異なる3つの空気層をつくりだすことで、地上約3mの位置に人工的に雲を発生させる仕組みとなっている。