© Olenka Kotyk, Unsplash
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よい都市の5つの条件と、3つの要素

エキサイティング、フレンドリー、料理が美味しいなど

テキスト:
Guy Parsons
Time Out Tokyo Editors
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タイムアウト都市ランキングでは、世界で最も素晴らしい都市を調査するため、2016年10月に世界18都市の2万人に81の質問を実施した。この記事では、上位に輝いた都市とそれ以外の都市の違いを見て行こう。

1.エキサイティング

素晴しい都市は賑やかである。

トップ5の都市、シカゴ、メルボルン、リスボン、ニューヨーク、マドリッドは、「元気とインスピレーションを与えてくれる都市」でもトップに入る。一方、18位のクアラルンプールは、インスピレーションの順位が最下位であった。

可能性を感じられるような場所であれば、シティライフにつきもののストレスや負担に対して寛容になれるのだろう。また、ニューヨークで暮らすのを「楽だ」と答えたのは10人に1人以下の割合で、全体のランキングで4位に位置している。

そして、よい都市は常に進化を続けていると言える。そのなかでサンパウロの順位は7位、パリは15位に留まった。両都市の文化的水準の順位は大差ないのだが、いつも何か新しいことができると答えた人の割合がサンパウロでは70%、パリでは44%という結果が出ている。

2.料理が美味しい

美味しい料理が素晴しい都市を作るのか、はたまた素晴しい都市がよいシェフを生み出すのか。答えがどうであれ、バーやレストランの順位は全体のランキングとほぼ完全に一致している。

ランキング1位のシカゴ、そして2位のメルボルンは、「素晴しいバー」と「素晴しいレストラン」ランキングでもトップだ。

3.探索が楽しい

都市中心部の周辺地域がバラエティー豊かで特色があるのも重要な要素のひとつ。良い場所に住むことができ、ダウンタウンに飽きたという人にも新しい発見のチャンスがあるからだろう。

4位のニューヨークと、1位のシカゴは町の各地を探索するのが好きな住人が多い町のトップに入った。12位のマイアミと14位のシンガポールは、楽しめるスポットが徒歩圏内にあまりないことから地元への関心や、ほかの土地への興味が薄い。

4.気持ちに余裕が持てる

かつてシティライフは「しっかり働き、しっかり遊ぶ」ライフスタイルだと考えられていたが、今ではワークライフバランスを保つことがキーとなる。

労働時間の差はわずかであっても無視できない要素で、トップ6の都市はワースト6の都市と比べて労働時間が週3時間短かった。また、都市ごとの平均労働時間とワークライフバランスの満足度は関連がないということも分かっている。

残業があればそのマイナス効果は絶大で、終業時間が予測できなければ遊びの計画を立てるのは難しく、ドタキャンされるのは誰だって嫌なものだからだろう。17位のドバイでは45%の人が時間外労働をしていると回答。マドリレニアン(ランキング5位に入ったマドリッド出身者)は28%に留まっている。

5.フレンドリー

人口が多い場所で暮らしながらも一抹の寂しさを感じる。シティライフはこの点で一種のパラドックスを抱えている。だからこそ赤の他人が見せてくれる笑顔は大きな意味を持つのだろう。

他人に積極的に話しかけていく都市1位のシカゴは、人付き合いの少ない13位の東京と比べて順位が高い。さらに、友人が作りやすいランキングに入った上位4都市である、メキシコシティー(6位)、マドリッド(5位)、リスボン(3位)、そしてサンパウロ(7位)は総合ランキングでも上位に食い込んだ。

そのほか3つの要素

1.生活費の安さ

生活費が高い大都市もあるが、だからといってランクを落とすということはないようだ。ニューヨーク(4位)とマドリッド(5位)が生活費の安さではそれぞれ11位と13位に位置しており、一方でシンガポール(14位)とクアラルンプール(18位)は比較的安く暮らせるにもかかわらず、ランキングを押し上げる決定打にはなっていない。そう考えるとランキングと生活費も両方高いシカゴとメルボルンは、エキサイティングで魅力に溢れ、金がかかるだけの価値があると言えるのだろう。

2.安全性

調査に協力してくれた人たちは、「都市は安全第一」とは思ってはいないようだ。調査では、危険と感じるかどうかと全体的な満足度にはあまり関連はなく、夜に町を歩くのは危険だと感じる人は東京(15位)で2%、メキシコシティー(6位)は72%という結果となったのが顕著な例だろう。財布をなくして、現金とともに戻ってくるだろうと思える人は各都市平均わずか3%、ドバイ(17位)ではそれが30%に跳ね上がっているが、全体的な満足度にはつながっていない。

3.夜通しパーティーをしている

こちらも満足度にはつながっておらず、アルコールを飲む量が多い(シドニー、16位。二日酔いの割合で上位)、朝まで起きている(東京、13位)、あるいはドラッグの摂取(マイアミ、12位)や一夜の情事(シドニー、16位)、オフィスでのセックス(またもやシドニー、16位)に耽るだけが楽しさではないことが分かる。 事実、3位のリスボンは、4位のニューヨークや2位のメルボルンに比べて遥かに保守的な町であるからだ。どれだけ羽目を外すかではなく、どれだけ素敵な時間を過ごすかが重要だと物語る結果だ。

そのほかの結果…

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