豆本と呼ばれる小さな本は、日本では江戸時代後期からさかんにつくられ、愛書家たちに大切にされてきた。てのひらサイズのものから約1mm四方のものまでさまざまな大きさ・形のものがあり、小さいものを愛好する心や印刷技術の精巧さを見ることができる。
今回、紹介する9名の豆本作家はそれぞれが個性的だけでなく、本の装丁デザインも秀逸なものが数多く、一冊一冊が手作りで趣向を凝らした美術的要素に満ちている。装丁に使われる素材や質感へのこだわりからは、作家たちの本をこよなく愛する心のぬくもりが伝わってくる。「読む」ことだけに限定されない、作り手の楽しみや集める愉しみを、美しい装丁の豆本から感じてほしい。
※会期中は、日替わりで豆本作家による制作実演も行われる
参加作家
赤井都/どーる・HONOKA/中尾あむ/中尾エイコ/田中栞/よしのちほ/マスダユタカ/花霞堂/高田美苗