油絵具をつけた筆を指で弾く、スパッタリングという技法を使い、淡い色調で構成された独特の世界観を表現する上條花梨の個展、“Stray Dog”が開催される。本展では、アーティスト・イン・レジデンスの訪問先であるフィンランドで作成した作品を中心に展示。作家は、“妙なところに入り込んでしまって不安感を抱きつつ、でも淡々としながらさまよう迷い犬の目線をイメージした”と語る。
人形とおもちゃのインテリア、目にした植物を図案化した壁紙と古い人形、フィンランドの田舎風景を背景に描かれたおもちゃの静物画など、ユーモアと不条理が混沌とした世界が、その精巧な技術によってリアルな光景のように浮かび上がる。